気管支喘息、咳喘息
概要
outline
喘息とは気管支が慢性的な炎症により過敏な状態となって咳や痰が出たり息が苦しくなったりする病気です。咳のみの場合を咳喘息といいますが、基本的には同じ病気です。小児喘息があった方やご家族に喘息の方がいらっしゃる方、アレルギー体質の方などによくみられますが、そうでない方も感冒などをきっかけに発症することがあります。特に新型コロナの後に初めて喘息を発症された方が多く受診しておられます。感染症の咳は通常1~2週間で徐々に軽くなりますが、改善傾向がない場合や3週間以上続く場合は喘息または咳喘息の可能性があります。特に早朝や夜間に咳がひどい場合は喘息を強く疑います。
検査
examination
胸部X線で他の病気がない事を確認し、肺機能検査、呼気一酸化窒素濃度測定などを行います。肺機能検査で気管支が狭くなっている所見があり、気管支拡張剤を吸入した後に改善すれば診断確定です。また呼気一酸化窒素濃度が高い場合にも喘息と考えます。必要に応じて血液検査で好酸球の数やアレルギーの有無などを確認します。
治療
medical treatment
治療の主体はステロイドと気管支拡張剤が合わさった吸入薬です。ステロイドを使用することに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、吸入薬は通常の量であればごく微量ですので全身的な副作用を考える必要はありません。ただし、吸入のやり方によっては十分な効果が得られなかったり、嗄声が生じたりしますので、吸入方法をしっかり習得していただく必要があります。症状が落ち着いたらすぐに吸入を中止する方がいらっしゃいますが、気管支の炎症が残っている状態で中断すると再燃しやすく、また気管支壁が肥厚して元に戻らなくなり、肺機能が低下してしまう可能性もあるので自己判断でやめない事が大切です。多くの方はステロイド合剤の吸入のみで症状がコントロールできますが、効果が不十分な場合は他の抗炎症薬(内服)を追加する場合もあります。なお、喘息の症状がひどい場合には数日間のステロイド内服を併用する事もあります。ステロイド内服が繰り返し必要になるほどコントロール不十分な方には抗体治療を検討しますが、医療費助成の対象とならない場合は高額になってしまいますので使える方は限られているのが現状です。
当院で行える検査
血液検査、尿検査、心電図、ホルター心電図(予約制)、血圧脈波検査、胸部X線、腹部X線、腹部エコー(超音波)、骨密度、肺機能検査、呼気一酸化窒素(NO)検査、呼気一酸化炭素(CO)検査、終夜睡眠ポリグラフィー(予約制)
診察時間
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※第1・3・5土曜 鶴田(呼吸器)
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※第2・4土曜日 中村(消化器・肝臓)