非結核性抗酸菌症
概要
outline
抗酸菌と呼ばれるグループの中で結核菌やらい菌以外の菌を非結核性抗酸菌と呼び、その菌が気管支に住み着いて炎症を起こし、気管支や肺が破壊されていく病気を非結核性抗酸菌症といいます。症状は咳、痰、血痰などで、多くの場合、数年から数十年の経過で徐々に進行します。結核と違い、ヒトからヒトには感染しません。抗酸菌には多くの菌種がありますが、日本ではマイコバクテリウム・アビウムやマイコバクテリウム・イントラセルラーが大多数を占めており、それらをまとめてMAC(マイコバクテリウム・アビウム・コンプレックス)症とも呼びます。抗酸菌は台所の水栓や浴室のシャワーヘッドなどの水回りやガーデニングの土壌など身の回りの色々な場所にみられます。一部の方ではこれらの水しぶきや土ぼこりを吸入することで感染すると考えられています。中年以降の女性に多く、ホルモンが関与しているのかもしれませんが原因の詳細は不明です。
検査
examination
胸部X線、胸部CTで陰影を認めたら喀痰の検査を行います。身近に存在している菌ですので、喀痰に環境からまぎれ込む可能性があり、2回培養で陽性となった場合に診断を確定します。培養には最大6週間かかります。血液検査でのMAC抗体も有用です。
治療
medical treatment
まだ現時点で確定的な治療法はなく、治療を行うかどうかは年齢や症状、進行の程度などにより判断します。治療する場合は結核の治療薬などを3~4種類組み合わせて服用します。効果が出るまでに時間がかかりますので、副作用に注意しながら最低2年は治療を継続します。
当院で行える検査
血液検査、尿検査、心電図、ホルター心電図(予約制)、血圧脈波検査、胸部X線、腹部X線、腹部エコー(超音波)、骨密度、肺機能検査、呼気一酸化窒素(NO)検査、呼気一酸化炭素(CO)検査、終夜睡眠ポリグラフィー(予約制)
診察時間
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※第1・3・5土曜 鶴田(呼吸器)
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※第2・4土曜日 中村(消化器・肝臓)